ここ最近、冬の寒さが少し和らいで来ましたね、、、と思ったらまた一段と寒くなってまいりました。

さて、ここ最近「キャスター付き金具」の選定基準や許容荷重、その他施工に関するお問い合わせを多く頂戴しております。

 

一概にキャスター付き金具を選ぶにも、、、

 

「どの大きさのキャスターが適切なの?」

「重い物を載せたいんだけど、耐荷重ってどのぐらい?」

 

と、施工に際して専門的な知識が必要な場面もございます。

 

 

今回はそんな方々にも分かりやすく、キャスター付き金具にまつわるお話をできればと思います!!!

 

 

キャスターの耐荷重の考え方

弊社オンラインショップ内で販売しているキャスター付き金具の許容耐荷重は以下の通りです。

  • S-14-(1C,2L,3Y)-65:36kgf

  • S-14-(1C,2L,3Y)-100:51kgf

  • S-14-(1C,2L,3Y)-150:162kgf

 

大きさを比較するとこんな感じです。

 

この許容耐荷重とは、平坦な床面を人力で搬送する場合に移動が容易で、安全かつ長期的に使用が出来る荷重の限度を示しています。

ただ、一概に「平坦な床面」で使用する状況だけでは無いのが現実です。

例えば、以下の現場状況が組み合わさると全く異なってまいります。

■床面

 コンクリート、モルタル、タイル、木材、土、芝生etc...

■勾配

 平坦、若干の斜面、急斜面etc...

 

こうした現場環境により、キャスターを4個使用した場合でも、「3点で支える設置環境になってしまった」というような可能性が生じる場合もございます。

その為、使用環境に応じてキャスターの選定や”安全係数”を自身で任意に定めて設計を行いましょう。

 

耐荷重の求め方

今回は例として、S-14-1C-65を使用して、台を作成する際の許容耐荷重を求めます。

あくまでも1例となりますので、保証値では無く参考値となります。予めご了承ください。

 

【単管パイプ】

スーパーライト(SL)700:50cm×11本(総寸法5.5m)

【使用金具】

S-5-3Y:4個

S-3-2T:6個

S-14-1C-65:4個

 

金具(部品)の許容荷重を確認します。

S-14-1C-65は1個辺り、”36kgf”ですので、4個使用しますので、、、

36(kgf)×4(個)=144(kgf)

と求められますので、許容耐荷重が144kgfだと分かります。

 

許容耐荷重から安全係数を定めて、総荷重の限度を求めます。

計算式としては、通常以下のような計算式で安全係数0.8掛けにて考えるのが一般的です。

総荷重の限度=許容耐荷重×0.8

使用環境下によっては、安全係数をより担保する必要がございます。ご注意ください。

 

上記の数式に当てはめると、、、

115.2kgf=144(kgf)×0.8

と求められ、総荷重の限度が約115.2kgfとなります。

 

組立後の重量を計算します。

SL700 1m:2.08kg

S-5-3Y:0.98kg

S-3-2T:0.63kg

上記を参考に算出すると、、、

(2.08(kg)×5.5(m))+(0.98(kg)×4(個))+(0.63(kg)×4(個))=17.88kg

と求められますので、組立後にキャスターに掛かる重量が17.88kgとなります。

 

施工物に乗せられる重量を求めます。

上記の事項を考慮すると、この施工物に乗せられる重量は、

115.2(kgf)-17.88(kg)=97.32(kg)

97kgまで、重い物を台に載せられることが分かります。

 

 

使用上の注意

  • 異なるサイズのキャスターを併用する場合は、低荷重側キャスターの許容荷重を基に使用最大荷重を算出してください。
  • 許容荷重以上の負荷をかけないでください。破損する原因となり、ケガなどにつながる可能性がございます。
  • かたよった荷重がかかる設計は避けてください。
  • 衝撃の加わる使用(落下及び振動等)は避けてください。
  • 著しい凹凸での使用や鋭利な突起の有る床面での乗り越えは避けてください。
  • トレーラー等の牽引での使用はお控えください。
  • 本来の目的以外の使用はお控えください。
  • ストッパーペダルの操作は、靴を履いた足により確実に行ってください。
  • ストッパーを掛けたまま、無理に動かさないでください。
  • ストッパーペダルを過度に踏みつけたリ、カナヅチ等の工具で叩いたリしないでください。
  • 傾斜面でストッパーを掛けたまま放置するようなことは、避けてくださ い。特に必要がある場合には、車輪止め等、他の手段を使用してください。
  • 走行中にストッパーペダルを操作しないでください。

 

最後に

皆様いかがでしたでしょうか?

色々と専門用語も出てきますが、内容は理解できましたでしょうか?

 

上記の計算方法や選定を参考に自身の施工物に対して

「どれぐらい重い物を載せたいか」

「規模をどれぐらいにするか」

等々、決めて頂き、その状況に合ったキャスターの選定を行い実際の施工に活かしてみてください♪

 

もし、「まだわからないよ~」などございましたら、直接説明もさせて頂きますので、お気兼ねなくお問い合わせください!!!

 

 

それでは、、、バーイ(^^)ノシ

 

 

参考株式会社ナンシン「キャスター使用上のご注意」