皆さんが普段、何気なく目にしている金属製品、「鉄はサビる」というイメージが、今では当たり前になっているかもしれません。
雨にぬれたり、日差しにさらされたりして、いつの間にかサビてボロボロになってしまった。。。
そんな光景は街中でもよく見かけますよね。
特に日本は海に囲まれ、夏は高温多湿。
つねに潮風や湿度に囲まれた「サビ大国」なんですよね。

でも、「そもそも、なぜ鉄はサビるのか?」と考えたことはありますか?

実は、世の中の鉄製品の多くには、ある“工夫”が施されています。
それが、鉄をサビから守る「表面処理」と呼ばれる技術です。
もちろん、弊社の単管ビス止めジョイント『かん太』も鉄をベースにしており、この表面処理が重要な役割を果たしています。

今回は、金属とサビの関係、そしてそれを防ぐための表面処理について、できるだけわかりやすくご紹介したいと思います!
かなり詳しい「さびマスター」もお客様の中にはいらっしゃると思いますが、ご存知ない方はぜひご覧ください!

そもそも、鉄はなぜサビるのか?

身近で当たり前かのようにある「鉄」ですが、実はとても"不安定"な存在なのをご存知ですか?
自然界では、酸素と結びついた「酸化鉄(=サビた状態)」の方が安定しており「サビていない鉄」は単体で存在することはめったにないと言われています。
分かりやすく言えば、私たちが使っている鉄製品は、もともと「サビていた鉄」を精製して「鉄」の状態に戻したにすぎず、実際は"本来の姿"に戻ろうとしてサビていくのです。

実際に「サビ」が発生する原理は、金属が空気中の酸素や水分と反応をおこし、変質してしまう現象のことを指します。
特に鉄(Fe)の場合、酸素(O)との反応起こると「酸化鉄(FeO)」という物質に変化して、安定化を図ります。

つまり、鉄がサビるのは「自然の現象」であり、それらを守るために「酸素や水と反応したがる性質」をどう抑えていくかが鍵になります。

鉄をサビから守るには?

先に述べたように、鉄は放っておくと空気中の酸素や水分と反応し、サビていってしまいます。
では、それを防ぐにはどうすればいいのか?
それは、大きく分けて2つの方法があります。

1.水や空気を「物理的」に遮断する方法

まず1つ目は、鉄の表面を塗料などで金属に膜を覆うことで、水や空気から物理的に遮断する方法です。
これにより、酸化反応が起きる"きっかけ"を断ち、鉄がサビないようにします。
イメージとしては、「日焼けしないよう日焼け止めを塗る」ようなものです。
ただし、表面の膜に傷がついたり、長期間の使用で劣化したりすると、その箇所から水分や空気が入り、サビるリスクもあります。
「日焼け止め」も、服に擦れたりなど効果が減少して日焼けする、なんてこともありますよね!それと同じような感じです。

2.「電気化学的」に鉄を守る

2つ目の方法は、電気化学反応に関わる現象や性質を利用した方法です。
「電気化学反応?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかと思うので、簡単にご説明します。
金属の中には「酸化しやすい」性質と、「酸化しにくい or 反応しない」性質をもつものがあります。
この「酸化しやすさ」には、ある程度の法則があり、これを「金属元素のイオン化傾向」と呼びます。

この並びの左にいけばいくほど酸化しやすく、右にいけばいくほど酸化しなくなります。

つまり、「鉄(Fe)」の一つ左隣にある「亜鉛(Zn)」は、鉄よりも酸化がしやすいため、この性質を利用して「鉄よりも先に酸素と反応を起こしやすい金属をあらかじめ施しておく」ことで鉄本体がサビるのを防ぐ原理です。
専門的な用語で言い表すと、この原理を「犠牲防食作用」と呼びます。

結び

ここまで「鉄がなぜサビるのか」そして「鉄をサビからどうやって防ぐのか」をご紹介しました。
「物理的遮断による防錆」と「電気化学的による防錆」、どちらにも特徴があり、メリットとデメリットがあります。
そして「どちらが優れているか」ではなく、用途や使用環境に応じて「どちらを選ぶか」が重要になってくるのが理解いただけたかと思います!

次回は、弊社製品の『かん太』で実際に採用されている表面処理の種類や特徴について、ご紹介させて頂きます!

お楽しみに~(゚∀゚)ノシ